犯人はおそらく当店に来るのは初めての男で、
刃物，ガソリン，マッチ，催涙スプレーを携行して入場したようです。
イベント中に、ガソリンをホール内に撒いて火をつける準備をしていたところで、
近くにいたお客さんと出演者が異変に気付きその旨を私に伝えました。
私も現場付近に行くとガソリン臭が鼻をついてきて、
見知らぬバケツに入ったガソリンも見つけました。
その直後、その怪しい人物を見ていた出演者が私に、
「あの人です」と教えてくれた時にはすでに、
受付の当店スタッフに犯人が催涙スプレーを食らわしていました。
それを見た瞬間私は犯人に飛びかかり取り押さえにかかりました。
その場にいた当店スタッフやお客さんや出演者とともに取り押さえることができました。
その際に、催涙スプレーを撒き散らされ、私も顔面に食らいました。
取り押さえて犯人に話を聞いたところ、
場所はどこでもよくて人が集まっているところならどこでもよかったと言っていました。
他にも「殺してやる」「火をつけてやる」などとも言っていました。
取り押さえた後は、
その場にいた合計100名前後の、お客さん，出演者，スタッフとも全員無事に地上に避難することができまして、
催涙スプレーとガソリンの臭いで一時的に気分が悪くなっていた人はいたものの、
救急車で搬送されたのは過呼吸らしき一人だけだったと記憶しています。
私は取り押さえの際、
右手を負傷しましたが検査の結果、骨折には至らず、強度の打撲とのことでした。
今回、犯人の行動や言動から、
秋葉原の無差別殺人のような事件だと思いました。
もし撒いたガソリンに火がついていたら想像したくもない大惨事になっていたことでしょう。
しかし今回は、お客さんと出演者と当店スタッフの、
勇気と協力があったからこそ大惨事を防ぐことができたと思います。
私は、前々からこのような無差別殺人のニュースに心を痛めていて、
もし自分の周りでこういうことが起こったらどうしようと考えていました。
そして、少なくとも自分の店でこういうことが起こったなら、
迷わず自分が真っ先に行くんだということだけは決めていました。
おかげで迅速な対応が出来たと思っています。
そして私が突っ込んだ後も、
当店のスタッフと出演者とお客さんの数名が、
催涙ガスが舞い、いつ気化したガソリンが引火してもおかしくない状況の中、
暴れる犯人の逮捕に協力してくれました。
私に犯人のことを教えてくれた出演者も含めて、
みんなの協力があったからこそギリギリで最悪の事態を防げたと思います。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
あと、付け加えておきたいのは、
イベントの内容のことです。
今回は、当店で毎週水曜日にやっている無料ライブの一環で、
ニコニコ動画系のイベントの開催でした。
私が犯人になぜここに来た？と問うたところ、
チェルシーホテルが目立っていた、
たまたまニコ動のイベントだった、
と言ってたので、特にニコ動イベントに狙いをつけて来たのではなかったと思います。
この日のイベントも、
お客さんと出演者で一体感を出して、
とても良い雰囲気で進んでいました。
誰かに妬まれたり恨まれたりするような要素は全くありませんでした。
ただ単に流行っているから客が集まりそうだからということだったのだと思います。
あと、無料ライブについても、
チケット代は無料という形ではありますが、
入場時に必ず受付で1ドリンクを買うというシステムになっていまして、
通常の公演と同じく一度受付をしてからでないと入れない形です。
再入場の際も必ず手にスタンプを押すという手続きもあり、
誰でもいつでも入れるような形では決してありませんでした。
この無料ライブは私が始めた企画で、
もっとライブハウスに沢山の人が気軽に来てライブに触れて欲しいという願いを込めて、
採算度外視で今年の4月からやっているイベントです。
今回、来てくれたお客さんや出演者の皆さんには、
怖い思いや悲しい思いをさせてしまって、
もう2度とチェルシーホテルには行きたくないと思っている方もいるかと思います。
しかし、
私は8/31のこのイベントに一片たりともあんなひどいことをされる要素はなかったと思っています。
だからニコ道楽も無料ライブも今後も続けて行きたいと思います。
お客さんたちの心が癒えてまた遊びに行こうかなと思ってもらえるようになるまで、
また１から頑張りたいと思います。
今後もチェルシーホテルをよろしくお願いします。
支配人
川崎 秀一